私が好きだったのは、
モネを楽しみに見ていた時間だったんだ、
とふと思う。
毎朝、起きてカーテンを開けながら、
さあ、今日も見られる、と
その時間を待つうれしい気持ち。
自分の会いたい人たちが、
昨日の続きをどんなふうに生きていくのか、
まだ知らない時間に立ち会えるワクワク感。
(だから絶対予告は見なかったし、
番組の始まりから、見逃さないようにしてた)
配信ものを好きなときに見たりするのもいいけれど、
それとは別に、
毎日少しずつの時間を、
じれったく思いながら、
大事な楽しみをいつも心のどこかに抱えてる日々は、
やっぱりかけがえなかった。
おかえりモネは、
痛快な話でもないし、
微妙なテーマを扱っていて、
つきあうにはちょっとつらかったりもする。
だからこそ毎日少しずつがよかったのかな。
その日の場面を何度も咀嚼しながら
自分の中に落とし込んで、
何か思いをもちながら、
次を迎える。
そういう見方をしてた。
ドラマで、平日毎日って、
すごいことだなあ、とあらためて思う。
生活の中への食い込み方が
半端ないから。
ほんとに一日中、
気づくとモネの中のことに思いを巡らしてた。
そんな同時進行の
心動く時間をもてていたこと、
ありがたかったなあと思う。
今でも、何かの拍子に、
ちょっとした言葉とかに、
不意に涙ぐみそうになって、
自分でびっくりしたりする。
どっかにしまわれている思いがある。