映画「百花」観てきた。
迷ってるくらいなら行けるうちに行こう、の精神で。
配信を待たず、映画館で観て正解だった。
原作脚本監督の川村元気さんが、
「今の時代に映画館で観ることのアドバンテージを考えた」
と言われてた通り、
ほかごとや早送りができない空間の中だからこそ、
集中して画面を見ることになって、
シーンをゆっくり一緒に体験しているような感じになった。
家のリビングで他に気をとられながら、では
良さがわからないかも。
この感じ、「おかえりモネ」のときにちょっと近い気も。
基本1シーン1カットで、
その場のやりとりがじっくり描かれる。
表情のクローズアップもけっこう多いので、
人物の感情に入り込む感じがあって、
帰ってきた今でも、
あのときの表情はどういうことだっけ、と
もう一度確かめたくなる。
たっぷり見る感じ。
ふたりとも、表情の繊細な変化がさすが。
映画のクチコミを見ると、
監督にけっこう厳しい評価もあるみたいだけど、
ひとつのテーマでゆっくりじっくり進行していて、
画面の美しさやシーンの行き来など、
魅力的なところがたくさんあった。
回想のインサートも、
私はそれほど混乱せず見られた。
認知症になった親との関わり方は、
自分の親のことや自分自身の将来のことを思うと、
他人事ではない微妙な気持ち。
原田さんはご自身の母親が認知症だったので、
演技において、
認知症の方からそれは違う、と思われないように心がけた
とおっしゃっていたけど、
それでもやはりせつない病気だな、と思わされる。
「記憶」というものの危うさと、
それでもやはり人は記憶でつながっているんだ、
ということと。