宇宙飛行士と世界的人気ゲームクリエイターの対談。
野口さんが、スペースXの強みを、
「50年前のアポロの月面着陸のときの裏話を聞くと、
彼らはむちゃくちゃ失敗してる。
よくそんなんやったな、ということがいっぱい。
まさに、失敗を恐れない。
不可能と思いつつ、GOをかける力があった。
かつての日本やアメリカにそれがあった。
今それをやれるのは、スペースXだけ」。
人気ゲームの主人公がひたすら「歩いて」いるのが強烈な印象、
という野口さんの言葉に、
小島さんが、
「一夜で成功者っていないじゃないですか。
目標地点まで、一気には飛べない。
一歩前へ出して、気がついたらゴールに近づいてる、という」
「一歩一歩歩いてて、疲れたなあ、と思うと、
他の人も歩いてる足跡が見つかる。
そこを往復してると道になるんです。
だから、ムダではない。
僕が通った道も若い人がたどっていく」
そして、
小島さんが、野口さんも同じじゃないか、と語ったのが、
「作品を一本出したあとと出す前では、動機が全くちがう」ということ。
七百万人もファンがいて、
こんなに愛されてる、
病気の方があなたのおかげでがんばれます、とか、
病床でやっている、とか、
そうなると、
自分のものでなく、ファンのためにあるのかな、となって、
そこからは、ファンがいる限りつくろうと思って、
今も続けている、と。
それを受けて野口さんも、
「一度目は自分の夢の実現のため。
宇宙へ行くためならなんでもやる、と。
実現したあとは、
子どもたちや日本の人たち・海外の人たちが
私を通して将来の夢を見る、というところで、
自分が、社会・未来に貢献するためにこれができる、
コーリング=天職」
「ちょっと実現しそうにない、高いレベルの夢に向かって、
損得勘定無しで、全身全霊かけられる対象」
と表現する。
最後小島さんの
「そういうものが見つかったからよかったし、
見つかってない人のために道をつくるってのが
僕らの役割でもある」
という言葉で締めくくられて。
反田恭平さんは、
「無理に夢をさがせとは言いたくもないかなー。
その人の人生だし」
と言われてたけど、
やっぱり「コーリング」を見つけてる人の迷いのなさは
うらやましい。
一方で、吉岡秀隆さんが、「ボクらの時代」の中で、
なぜ役者を続けているか、
十数年前には「わからない」と答えていたけれど、
改めて今問われて、高倉健さんの言葉として、
「いい役者とは、
いい役者ってなんだろう、って問い続けていく、探す。
そうすると人間ができあがっていく。
お芝居じゃなくなる。
その後ろ姿を見せてくれてるのが、高倉健さんとか、渥美清、田中邦衛。
人間が好き。この人が好き。
いい役者であるためには、まずは人ありきだろうなあ。
そっち側の方向だけは向いてたいとは思う」と。
こうでなきゃ、というのはなくて、
人それぞれいろんなあり方があるもの。
でも、考え続けてる、動き続けてる、試し続けてる
というのは大事なことかも。
とりとめなく挙げたような言葉たちだけど、
なんだか私に勇気を与えてくれた言葉たち。
書いて心に留めておこう。