今日は映画を見に行こう、と決めていて、
調べたら今日で上映終了だったので「ロストケア」を見る。
介護がテーマなので、重い作品だろうと覚悟していったものの、
映画自体は、あまり悲惨さを強調したものではなく、
松山ケンイチがたたずまいが自然で、瞳が美しく、
変に性格づけしてない演技がよかった。
長澤まさみはまっすぐ真摯で。
いい中和役になっていた。
犯人松山ケンイチが静かに自分のしたことを受け入れているのに対して、
迫る長澤まさみがだんだん自分の感情を揺さぶられていく。
ちょっと「羊たちの沈黙」的な。(ずいぶん違うけど)
ラストシーンは、2人とも少しは救われたのだろうか。
苦しみを突き抜けたからこそ話したい相手、
という存在が、カメラワークの厳粛さと相まって、
なんだか啓示的だった。
もう一度見直したい気がする。
私自身、他人事ではない話なので、
考えずにはいられない内容だけれど、
介護の現実の大変さは、
でも、ここで描かれているのに比べればまだまし、とされると、
それもまたしんどいなあ、という気も。
「家族」「施設」の縛りだけでない、どんな支え方があるんだろう。
金銭的な問題はやはり大きいなあと思いつつ。
問題ばかり見ていると、そうとしか見られない思考になっていくので、
違う世界にも気持ちをとばしていこう。