今日はなんだか杉咲花さんデー。
朝、「アンメット」の話題を妹としつつ、
夜に「杉咲花の撮休」を見て、
その流れでなんとなく見てもいい気がして、とうとう「市子」を見た。
心配したよりは、鑑賞後感は重苦しくはならなかった。
夢や幸せを願えない、悲しくつらい市子の人生。
そして考えてみれば、市子は恐ろしい人でもある。
それがこの作品の中では愛おしくさえ感じられるのは、
演じた杉咲花さんの力でもあり、作品の描き方によるのだけど。
この世で自分が存在したいという強烈な思い。
最後の10分くらいだけは、幸せな市子の姿が描かれて、
そこは救いで何度も見たくなるし、
若葉竜也さん演じる恋人の最後の思いも、
観客の私たちの思いのような気がして、
市子のことを思いやらずにはいられない。
別のレビューで、宮部みゆきの「火車」を思い出した、という人がいて、
確かに、という気もする。
あの小説も、当人に対して思いやりつつのラストシーンが印象的だった。
食わず嫌いで避けなくてよかったと思った映画。