楽しみにしてた映画「国宝」、観てきた。
3時間という長さは全く苦ではなく、
なんなら、もう少しシーンを見せてくれればと思うくらいで、
とにかく映画内の時の流れが速くて、
描かれてない部分は観客の想像にゆだねてどんどん進んでいく。
そして、歌舞伎シーンがたっぷり。
それも退屈じゃない。
思わず息をのんだ歌舞伎の瞬間もあった。
役者さんもたくさん登場して、
舞台セットや衣装も充実してて、
映像は緻密で美しく、
李監督はどうしてこんなに贅沢に映画が撮れるのかしら、
と不思議に思うくらい。
最初の方の場面は、わーこういう感じは、私は苦手な世界かも、
と思ったものの、
通して見終わると、
思ったほど重くない。えぐさを感じない。
それは原作から絞られた分、
人間模様がくどく描かれてないからかもしれない。
それぞれの人物が点景のように心に残る。
だから、1回目見終わった私の気持ちは、
どーんと感動したというよりは、
なんだかサラッとしていた。
もちろん、心に残るシーンはいくつもあるのだけれど。
そして、これは主役吉沢亮・喜久雄を描く映画なのだと思う。
それが際立つように、すべてが集約されている。
流星さんが、
元の台本には俊ぼんのシーンももっとあったし、
最初の編集は4時間半になってて、
翌日風邪を引いたくらい撮ったストリップ小屋のシーンも本編では3秒に。
でも、喜久雄が国宝になる人生が軸に通るには、
完成した形が納得、と言われてた。
確かに。
李監督のいつものことで、
たくさん撮ってるけど、
使われないところもたくさん。
(「流浪の月」のときのように、配信で編集カット場面が出ないかな)
来週、今度は友人と、また観に行くことにしてる。
2回目はどんなふうに思うだろう。
☆この間、久しぶりに見た映画があって、
その内容が、覚えていたものはほんの一部だったことに
自分でびっくり。
自分の記憶って、あてにならない―。