恩田陸さんの最新作。
久しぶりにページをめくる手が止まらない、ワクワクして読んだ本だった。
つい一気読み。
「蜜蜂と遠雷」と同じように、才能ある芸術家の話。
今回はバレエダンサー。
各章一人称の語り形式も不思議な読み心地で、
才能と感性あふれる主人公春の魅力に引き込まれた。
改行が多い文章のおかげもあって、
サクサク読み進められたし。
目で味わう「踊り」を文字化されたことで、
踊りを見る目をちょっともらえた感じ。
さっそくYouTubeでいくつかダンス動画を検索してしまった。
恩田さんがファンだという金森穣とか。
人間の体は美しいなあ、と思う。
そして、ダンサーは、私とは全然違う感覚の世界に生きてるんだ、とも。
「蜜蜂と遠雷」は映画化されたけど、
これは無理だろうなあ。
こんな見事なダンスのできる役者はそうそういないだろうから。
ごまかしがきかないもの。
でも、春たちの感覚を、映像で見てみたい気も。
それくらい、絵が浮かんでくる小説だった。
今度横浜流星さんたちがやる「国宝」は歌舞伎の話。
舞踊シーンはどんなふうに演じられるのか、
さぞ大変なことだろうと思う。
李監督がどんなふうに映像化されるのか、楽しみでもあり。