つらい話っぽくて見るのを先延ばししてた「青の帰り道」、
やっと思い切って見た。
うーん、やっぱりつらい話だった。
でも最後のあたりで次に向かう兆しが見えて、
見た後の気分はそれほど悪くない。
何より、7人の仲間が、ひとりひとりそれなりに一生懸命なので。
7人中5人が、高校卒業後なんともひどいことになるというのは、
現実って、ほんとにそんなもの?と、
それがつらいところ。
「この世界にいるとだまされることも多いんで」
とぽろりと言ってたけど、そうなの?
藤井監督の作品って、ダークサイドを描くことが多い気がして、
見るのがちょっと勇気がいる。
特典トークの中で、キャストの人たちが、
最初台本読んだときは、つらかったです、全体読んで。
ということを言ってたので、
やっぱりこれが当たり前と思ってるわけじゃないんだ、と少し安心。
横浜流星さんが、自分の出演作の中で同世代の人にまず勧めるならこれ、
と言ってた作品。
仲間がいることのかけがえなさ、
そして、それぞれが、それぞれを生きていくんだ、ということ。
キャストやスタッフの人たちの思い入れも強い映画らしくて、
そんなことも含めて、ついリピート。
そして、救いのあるシーンになっていく最後のチャプターを
何度も見てしまって。
知れば知るほど、登場人物に愛着が湧いてくる。
最後にちゃんと希望が示されてるところ、
そこが大切な作品なんだって、だんだん感じられて。
先がわかってると安心して見られて、
ちょっとずつ前の方も見ていけて、
細かないろんな表情や言葉に気づいていく。
いつのまにか、だんだん好きな作品になっていった。
流星さんは、一番浮ついて粋がってる男子をやってて、
最後まで性分は変わってないんだろうけど、
年齢重ねて顔つきが変わっていってて、
熱い心意気の男を魅力的に見せてた。
一番最後の、高校生を見送る表情が好きだなあ。
上映が難しくて、最初12月に2週間だけで終わったのが、
流星さんがゆりゆりでブレイクしたタイミングもあって、
夏にかけて各地で長く上映されることになったというのも、
この映画の不思議な運命。
そういう意味でも、やっぱり特別な作品なのかな。