Netflixデビューで、藤井監督の「パレード」を見た。
不思議な映画だった。
期待が大きかった分、初めから見ているうちは、
どういう話なのかな、と戸惑いつつ。
久しぶりに作品で見た坂口さん。
菅波と未山を足したような役だった。
ああ、坂口さんて、こんな感じだったな、というような。
横浜流星は、強気な役。
しっかり見せ場のシーンがあって、
彼らしい、繊細な思いが表れてて、魅力的だった。
死んだけれど未練があってその先へ行けない人たちの物語。
震災やいじめのエピソードもあって、ちょっとつらい。
なにかで身近な人を亡くしている者にはたまらない話で、
この映画のように、亡くなってもこの世界の中に存在して見ているのだとしたら、
よけいにつらい気がする。
なんとなくモヤモヤしながら見ていたけれど、
最後になって、一気に気持ちをもってかれた。
ひとりひとりの思いを振り返るような映像の重なりに、
野田洋次郎の音楽がやっぱり沁みて、
いいものを見たなあという気持ちになる。
横浜流星さんは中間で退場だったので、
最後にまた出て来ないかなあとちょっと期待してたんだけど、
それはなし。
藤井監督は、映像が美しくて、印象的なショットがいくつか。
しっかりこの映画を支えてた。
エンドロールの企画に河村光庸さんの名があった。
そうだったんだ、と思いつつ、
藤井さんはだからこそ込めた思いがあったのかな。
人はいつか亡くなるということ。
どういう順番か、どのタイミングかはわからないけれど、
どんなに思いがあっても、
後悔しても、
死という別れは来るということ。
死んだ者はどんなに思っていても去るしかないし、
生きている者は、それを受け入れて、生き続けていくしかない。
最後まで見終えたところで、
もう一度見返してみたくなった。
配信はそれができるのがいいところ☆
ひとりひとりの見え方が、また違ってくるかも。