ついつい見ちゃっているのが、BS再放送「あまちゃん」。
あくの強さにちょっと胸が痛いような思いがしながら、
たまーに、これは大事にしたい!と録画を残してしまう回もあって。
アキがいよいよ東京へ出発した今日は、まさにそんな回だった。
主人公が新しい地へ旅立っていくのは朝ドラあるあるで、
「おかえりモネ」でもそうだったし、
みんなに応援されてにぎやかに出発していくのは
心熱くあったかくなる多幸感がある。
でも、今回の「あまちゃん」は、内容盛りだくさんで、
主人公のアキよりも、実はここまで北三陸編の「あまちゃん」は、
春子の物語だったんだ、と気づかされた。
アキの出発に寄り添いながら、
それが昔の自分とも重なって、思いをかみしめるような
すっきりした春子の表情。
そして知る、夏のあのときの行動。
25年も、ずっと知らないで誤解したままって。。。
その間の人生はもう取り戻せない。
「なんだよ~」と頭かきむしる春子、
「大吉、バカ! バカこの!」と繰り返す大吉のことばは、みんなの思い。
それでも、「もういいよ」と笑う春子の小泉今日子さんは、
なんかとってもきれいだった。
人生にはいろんなタイミングがあって、
意図したわけでなくても、
思いもよらない行き違い、すれ違いがあったりするもの、
そんな苦い現実を伝えてくれるこのエピソード。
25年を経てやっと通じさせてくれたのは、
脚本宮藤官九郎さんの優しさだけど、
それでもつらいのはつらい。
こういうところが、
私が「あまちゃん」を見るのをちょっと躊躇する理由なんだなあ。
理不尽でビターなことに弱い。
残りの人生に間に合ってよかったね、春子。
小泉今日子さんの春子は、やっぱり絶妙。
そして、アキは、能年玲奈だからこそ、とやっぱり思う。