なんとなくつけていたNHKBS「薬草歳時記」という番組で、
番組内の空気が、音楽も含めて、
違う時間の流れに連れて行ってくれるような
不思議な感覚があった。
それは、語りの声の調子に負うところが大で。
誰の声だろう? 思い出せそうで思い出せない、
この落ち着いた滋味ある調子、寺尾聰でもないし・・・
誰か年配の男性役者の人?
NHKのアナウンサー?
と思いながら、最後のクレジットを見たら、
「田中泯」。
さすが、と納得。
地道に薬草園を育ててきた実直そうな人物の紹介に、
静かな深みを与える声だった。
やっぱり声の力ってあるなあ。
その人の声だからこそ表現できるものがある。
語りの声を聞くともなく聞いているだけで、
番組を十分味わった気になった。
いいもの聴いた、という気持ち。
haruka nakamuraという人の音楽もよかった。