モネ日記

「おかえりモネ」感想・・・その後の日々のつぶやき(エンタメから)・・・

モリコーネ

思わぬ大雪で、出かける予定をキャンセルして、

窓外の雪降りを見ながら部屋の中でのんびりする日。

見かけていた映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」を見る。

 

実は昨日見始めてたけど、

インタビューを字幕で聞くのに何度も寝落ちして

まだ先は長いので脱落気分になりながら、

それでも褒めている人の映画評をもう一度見て、

後半に期待して再チャレンジ。

 

見てよかった。

後半、知っている映画が出てくるせいもあるけど、

何より、モリコーネの音楽がいい。

映画音楽って、ただ映画に合わせて曲を作ってるくらいにしか思ってなかったけど、

モリコーネの場合、こんなに場面・映画全体を支配、創造してるんだ。

時には監督の意向さえも否定して。

そしてそれが多くの場合、即興的に浮かんだ音楽であることに驚く。

映画の内容ができる前から、監督に請われて

一緒に映画制作を進めたこともあると言う。

多くの監督から求められたモリコーネ

 

彼のメロディ、音楽を聴くと、

一節だけなのに心動かされるのはなぜだろう。

「ワンスアポンアタイムインアメリカ」では、

撮影の時、シーンにモリコーネの音楽を流しながら収録していた。

音楽って、何もないところに意味を与えるもの。

そこに流れる情感を誰にもわかる形で表してくれる。

音楽って、怖いなあ、と思ったり。

 

オーケストレーションもするモリコーネの音楽は、

美しくて崇高で、ドラマティック。

オリジナルの曲にこだわったモリコーネだからこそ産み出された

たくさんのメロディを、

改めて聴いてみたくなった。

そして、映画音楽、という仕事ももう一度心して見てみたい。

 

誰もが認める才能のモリコーネなのに、

アカデミー賞は6回目のノミネートでやっと受賞。

(3回目は、坂本龍一さんの「ラストエンペラー」にさらわれていた)

晩年にでも、受賞が間に合ってよかった。

どんなに素晴らしい人でも、巡り合わせの不遇ということはあるんだ。

 

ドキュメンタリー映画で、インタビューと関連映像だけの構成だったけど、

最後は高揚感があった。

編集の巧みさもあるけど、

作品中ずっと使われたモリコーネの音楽のおかげがやはり大きい。

モリコーネ自身が、

映画音楽に多くを費やした自分のことを

うれしく受け入れて人生を終えていったことがなにより。