惹きつけられる表情が出せるって
俳優の大事な資質だと思う。
画面のその顔をずっと見つめていたくなる。
その顔を見るために、またそのシーンが見たくなる。
心動かされずにはいられない、
役の気持ちを伝えてくれる、
その人だからこそできる表情。
清原果耶さんが演じたモネのシーンの中で、
私が惹きつけられた表情、
そのベスト6を挙げてみる。
順位はなく、登場回順に。
①登米の朝、移動霧を見たときの、震災のことが蘇って涙する表情。
普通の表情から急に、
閉じていた心のベールが開いたような
静かな昏い目の色へ。
②亮ちんが迫ったときの、毅然とした必死の表情。
亮ちんを尊重しながら
けして目をそらさず、
思いやりを込めて訴えてる。
③菅波先生が登米へ行くと聞いたときの、前日の亮ちんのできごとを言いながら、
「それなのに私は、先生がいなくなることが嫌だって思ってるんです」
と話すときの表情。
何の作為もなく気持ちがあふれ出てしまうのを
ひとり語りするモネのいじらしさ。
泣き笑いの繊細な表情から、
うそのない気持ちが伝わってくる。
④おじいちゃんの牡蠣棚が被害に遭って気仙沼へ帰ったとき、
みんなの中に出られないでいたときの表情。
思わず後ずさりしながら
弱い自分とありたい自分が激しく葛藤して、
大きく見開かれた目が
見たことのない光を放ってる。
⑤菅波先生に「やっぱり気仙沼に戻ります」と告げたときと、
そのあと「一緒にいるってどういうこと?」の菅波先生の答を聞いた後の表情。
ふっきれた静かな表情。
菅波先生とすっかり対等な
確固とした意志のある人になってる。
⑥みーちゃんと亮ちんが通じ合えた知らせから、
「大事な人が幸せになるって、こんなうれしいことない」と言ったときの涙の表情。
とにかく美しかった。
今まであまり感情を出さなかったモネ。
次々溢れる涙に、
震災以来モネが抱えてきた心の重荷が
どれだけ大きかったか、
どれだけモネを縛ってきたか、
ここに至るまでの長い長い道のりが伝わってくる。
どの時も、
そのときのモネの心情が
セリフ以上にたくさんの情報で伝わって、
リアルにこちらの心に触れてくる。
どれも、清原果耶さんならでは、だと思う。
こんな表情を見られただけでも、
このドラマを見ててよかった。
あ、他にもちろん、
モネのもじもじほっこり表情も好きです。
①菅波先生が島へ来るという申し出に「うれしいです・・・すごく」
②「そういう先生だから、いい」
③「私は、先生じゃないと、だめだから」
こういう幸せなのは大好き。
こっちもムズムズするけど、心あったかくなる。
やっぱりこういうのもなくちゃね。
あ、そういえば、
お天気お姉さんになって登場したときも、
急にそれまでと全くちがうキャラになってて、
かわいすぎてびっくりしたっけ。
現実の人たちも、
あんなものなのかしらん。