モネ日記

「おかえりモネ」感想・・・その後の日々のつぶやき(エンタメから)・・・

そして、生きる②

昨日からずっと頭の中でぐるぐる考え続けてて、

なんかやっぱり納得しきれない気持ち、

それからもう一つ思ったことを書いてみる。

 

なんか、疑問に思うことがいくつかある。

一番は、最後になんで瞳子は清隆に「大好き」と言ったんだろう?

そして、最後の瞳子の涙は、なんだろう?

最後の清隆の表情も、何を表してたんだろう?

私には、何か心決めたように見えて、

ひょっとして、バスを降りて清隆が戻ってくるんじゃ?

と期待してずっとシーンを見てたんだけど。

瞳子の涙は見たはずなのに。

まあさすがにそんな簡単に展開はできない。

お互いのパートナーとの仲にきりがついてないと、

そう簡単に思い切れることじゃないし。

ハンとの別れはそういう布石じゃなかったのかな。

 

「糸」も似たようなテーマだったと思い出した。

そして、「糸」は、最後ちゃんと二人の人生がつながった。

だから観てる方は救われた。

「そして、生きる」は、そうはしなかった。

あまりに同じになっちゃうからかな。

人生はそうしていろいろ抱えながら生きていくものだ、

多くの人生はそういうものだ、

と言いたいのかな。

 

瞳子が清隆に妊娠を告げなかったことも、

ハンと同じで、やっぱり納得できない。

もちろん、告げていたら、

そのあとの二人は苦しい関係になっちゃってたかもしれないけど。

そして、清隆がその後、まったく瞳子に会いに行ってないことも

やっぱり不思議。

そんなに時間がなかったの?

メールの返事がないから迷ってたの?

どう考えてもおかしいのに。

清隆は、会社を断って真っ先に瞳子のところに突然来るくらいだったのに、

その行動力は発揮されないの?

それができないところが、そのときの清隆の弱さだったということ?

 

もうひとつ、この作品で、

清隆と瞳子のそれぞれのパートナーになった

ハンと真二は、自分の思いにまっすぐ。

それで自分の恋を成就させていった。

「自分の幸せは、自分でつかんでいかないと」と言ったハン。

瞳子も清隆も、肝心のところで

相手を思うあまり、自分の思いを押し込めてしまってる。

もちろん、タイミングもあるんだけど。

それがこんな人生につながってしまった。

瞳子が真二の事件を「私のせい」と言ってたけど、

それが彼女の強さでもあり、

そうやって自分がかぶってしまうところが

自分の人生を苦しくさせてしまってるようにも思う。

有村架純がそういうけなげな強さを持った役によく合うので

なんだか納得されてしまうんだけど。

そして、そんな女性の強さに自分が変わって追いついていく男性も、

坂口健太郎によく合う。

 

ピュアな清隆は、

これからどうするんだろう。

私はその後がとっても見たい。

「糸」みたいにちゃんとつながるところまで行ってほしい。

だから、こんなにもやもやしてるんだ。

人生、そんな簡単なもんじゃない、んだろうけど、

「運命の人」と思えた二人だからこそ、

やっぱり運命の人、にしてほしかった。

 

こういうことをあれこれ考えさせたくて、

こういう映画になってるのかな。

でも、映画だからこそ、

救われたかったな。

二人が孤児になって引き取られた家庭で育った人だったこと、

とても大きなことだったと思う。

最後に「生きててくれてよかった」とお互い言い合うことで

二人の人生の意味に救いは示したのだろうけれど、

それだけじゃ、なんだか、あまりに悲しい気がする。

特に、清隆にいくつも起こる出来事は

悲しすぎる。

清隆、これからどうするんだろう、

というのが、ほんとのこの映画のテーマなのかな。

 

瞳子が、娘という宝物を授かったことを

全ての支えにして生きていこうとしていること、

それもせつない。

最初の妊娠のとき、

「命を消せない」と言った。

唐突な気がしたけど、

それはこの作品のテーマのひとつなんだろう。

失われた命、人に育てられた命、

瞳子と清隆が、自分の生に対して抱えてる思いを、

もっと聞きたかった気がする。

 

登場人物が、みんな一生懸命な人たちだったから、

それぞれを好きになった。

だからこそ、なにかそれぞれが報われてほしいと願う。

 

やっぱり、今も生き続けて、続きの人生があるよ、ということなのかな。

ドキュメンタリーのように撮りたいと監督が言ってたから。

このままでは、真二は救いがないし。

 

そういえば、有村架純が出てた「花束みたいな恋をした」も、

ナチュラルな二人のやりとりが魅力的な映画だった。

あれもまた別れに至る物語だったけど。