モネ日記

「おかえりモネ」感想・・・その後の日々のつぶやき(エンタメから)・・・

あれから

NHKインタビュー「ここから」の鴻上尚史さん、

コロナのあと、負債を抱え、劇団を解散されたと言う。

知らなかった。

コロナだけが原因ではないとは言われたけど。

 

コロナ禍がだいぶ落ち着いて、

今はなんだか普通の日に戻ってる気がしてるけど、

そのとき抱えたものが解消されているわけではないんだ、

とハッとした気持ち。

 

コロナで予定していた舞台が2本中止になって、

2000万の負債を抱え、

今も返し続けていると言う。

世の中の大変だった人たち、

きっと今も同じように、もしかしたらそれ以上に、

日々を送るのに必死な思いでやってらっしゃるはず。

 

コロナの時にあからさまになった、演劇への扱いのことも

改めて言われてた。

「自粛要請と休業補償はセットで」と言ったら、

自分たちをなんだと思ってるんだ、という調子の批判がたくさん来たこと。

SNSでの攻撃のひどさに、

高層マンションに住んでたら飛び降りてただろうなあということが

2回くらいあったと言う。

SNSで死ぬ人の気持ちがよくわかったと。

今でもそうした批判は時々来るのだそうだけど。

 

例えば野球やサッカーが中止になって同情される量と、

演劇が中止になったと言うときの「それで?」という量が

あまりにも違うこと。

演劇人として、そういうことに気づいてしまった鴻上さん。

それでも、いい演劇をつくっていくしかない、と

これからも演劇のためにできることをしていこうと

心を決めてやってらっしゃる。

 

演劇、エンタメ、大事だと思う、応援していますよー、

と私は思っているけど、

そういう人の総量が増えていかないと

変わっていかないということなんだろうなあ。

(もしかしたら、男性社会だからよけいに?

コンサートや映画などに行って周りを見回すと、

圧倒的に女性が多いと思うもの)

「シンパシー」じゃなくて「エンパシー」を育てることができるのが、演劇。

共感力。人の立場になること。

 

世の中のいろんなこと、

なんでこうなのかなあ、と思う状況はいくつかあるけど、

それが変わっていくのはそう簡単じゃない。

今までの刷り込みで来ていることに、

ちょっとずつ異を唱え始められてるこのごろだと思ってる。

その流れを信じて、

こういう鴻上さんの声を放送してくれたNHKのことも、うれしく思う。